こんにちは、ララです。
中学時代に悪質ないじめを受け、
裁判で闘うことを決めた佐藤和威(さとうかずい)さん。
佐藤和威が受けたひどりいじめの数々は、
別記事で述べたとおりです。
そんな「鳥栖いじめ控訴審」で出された判決は、
驚くべき内容だったのです。
なぜそのような判決が出たのでしょうか。
弁護士も驚いた!裁判所が出した驚きの判決内容!
佐藤和威さんへのいじめについての判決は、
次のようなものでした。
◆加害者の行為を「いじめ」と認定(一審では「悪ふざけ、いたずら、遊びの類」だった)
◆加害者の内5人に「連帯して慰謝料300万円の支払」を命じた
◆残りの加害者3人には「慰謝料5万円」の賠償を命じた
◆学校はいじめを察知できたとは言えないため、賠償責任は認められない
◆中学生の場合、保護者に責任はない
◆佐藤和威さんのPTSDは認められない
具体的に見ていきたいと思います。
2審では「いじめ」と認定されたが、1審では「遊びの類」だった!
2審では「継続的ないじめ」と認定されましたが、
1審では「悪ふざけ、いたずら、遊びの類」とされていました。
佐藤和威さんは、
自身が受けた暴行が「いじめ」と認定されたことについて、
「よかった」と述べています。
ですが、1審で「単なるいたずら」とされていたことについては、
到底納得できるものではなかったと思います。
佐藤和威さんがエアガンで撃たれたことについて
「佐藤さんが弾を当てられたのは数発程度」
「中学1年生男子間の悪ふざけ、いたずら、遊びの類い」
「サバイバルゲームであり、不法行為ではない」
とされました。
こちらの佐藤和威さんはケガの写真は、
裁判資料として提出されたものです。
裁判官は、この写真見て、
「数発程度にすぎない」
「単なる遊びの類い」と判断したことになります。
この判決には怒りの感情しか涌いてきません。
自身の子供が同じことをされても、
そのように判断するのでしょうか。
一審でこのような判決が出され、
のちの二審で「いじめ」認定されましたが、
一審で「ただの遊び」と言われた佐藤和威さんの心の傷は、
さらに大きくなったのではないでしょうか。
また、佐藤和威さんが同級生に取られたお金100万円については、
「佐藤和威さんが自発的に交付したもの」として不法行為は認められませんでした。
そんなはずないですよね!
100万円ですよ!
中学1年生ですよ!
自発的に交付?
ありえないです。
このようなこと、正気で言っているのでしょうか。
そして認められた金銭的被害は、
たったの30万円でした。
これは、加害者が認めた金額ということなのでしょうね。
被害者の主張は信じてもらえず、
加害者の認めた金額で認定するなんて、
いったいどういうことなのでしょうか。
「連帯して慰謝料300万円」って押し付け合いにならないの?
裁判所は、
加害者の内5人に「連帯して慰謝料300万円の支払」を命じました。
ひとつ気になったのが、
「連帯して300万円」
というところです。
なぜ「1人あたり60万円」ではないのでしょうか。
「連帯して」としてしまうと、
5人の中で金額の大小を押し付け合うのではないかと思います。
「うちの子より、おたくの子の方が酷いことしたでしょ」とか。
実際に、加害者の親は以下のように話しています。
主犯格の一人であり、15万円も恐喝した加害者Aの親。
- 『A君(佐藤和威さん)が息子にお金をもらってくれ、もらってくれと頼んだんです!もらってくれないと絶交すると言われたみたいですよ。』
- 『うちの子は嘘をつきません!』
毎週、佐藤和威さんの家に行き、謝罪を続けている親。
『まじめに考えていますよ。私だってどうしていいのか分からなくて夜も眠れないんで す。』引用:wikipedia
慰謝料はきっちり佐藤和威さんに支払われるのでしょうか。
仮に支払われたとしても、
300万円という金額は、
佐藤和威さんが弁護士に支払う費用を差し引くと、
残るか残らないか程度の金額だと思います。
佐藤和威さんが求めている賠償請求金額”1億2000万円”と、
あまりにも金額が乖離しています。
佐藤和威さんが求める1億2000万円という金額は、
決して高くはありません。
それほどの苦痛を味わったということなのです。
それを、たったの数百万と判決を出されたことに、
落胆していることと思います。
残りの加害者に命じた慰謝料はたったの5万円!
裁判所は、
残りの3人の加害者に「慰謝料5万円」の支払いを命じました。
正直な感想として、
「たったの5万円?」
というのが個人的な思いです。
人ひとりの心を壊しておいて、
たったの5万円でチャラになるの?
裁判所って、
加害者保護の姿勢なのかと思う判決内容です。
市側(学校)の責任は認められなかった信じられない理由
鳥栖市(学校)の責任を認めなかった理由は以下のとおり。
・佐藤和威さんが受けた行為の多くは、学校外や夏休み中のもので、
担任は認識できなかった。
・同級生がカッターナイフを持ち出した場面に担任はいなかった。
これは嘘が含まれているんです。
担任は佐藤和威さんが同級生からいじめられているのを、
何度も目撃していると佐藤和威さんは話しています。
「学校外」「夏休み期間中」のものもあったのでしょうが、
それこそ、ごく一部であり、
「いじめを認識できなかった」というのは、
あり得ないと思います。
佐藤和威さんが言うとおり、
「見て見ぬふり」をしていたのでしょう。
また、
佐藤和威さんは、
「技術の授業中にノコギリを目の前で振り回された」
と話しています。
このような行為をする生徒を、
技術の先生は、なぜ注意しないのでしょうか。
見ていなかったとでも?
安全管理ができないのならば、
そんな危ない物(ノコギリなどの刃物)は授業で使うべきではありません。
加害者は中学生なので「保護者に責任はない」で本当にいいのか
裁判所の判断として、
「小学生の場合は未熟なので親が責任を負う」
「中学生は子供の責任」
としています。
この判断は正しいのでしょうか。
小学生まではとか、
中学生だからとか、
そういった線引きをするから、
未成年の犯罪が増えているのではないでしょうか。
PTSDは認められない
佐藤和威さんが最も苦しむPTSDについては、
裁判で認められませんでした。
佐藤和威さんの弁護士は次のように語っています。
和威君の症状で特徴的なのが、重度の解離症状だ。
いまだにフラッシュバックが起きて、それから回避するために、自分が自分でなくなっていく。そして、その間の記憶が飛んでしまう。それがほぼ毎日で、夜中もうなされて寝られない。
今回、私は主治医の意見書と診断書に加え、トラウマに関する権威の先生2人を探して国際的にも認められた検査をしてもらい、間違いなく重度のPTSDだという意見書も出してもらった。にも関わらず、なぜ控訴審がこうなったかが分からない。判決を読んでも理由がなく、PTSDを発症するにあたる出来事がないと言っているだけだ。常識に反するようなことを言って否定しているので、到底受け入れがたい。私は和威君を通して、PTSDの重度の子どもがどれだけ苦しむのかということを裁判所にわかってほしいと手を尽くしたつもりだが、残念でならない」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
いじめに関連する裁判では、
このような理不尽な判決がほかにもあるのでしょうね。
当事者はこのような判決を出され、
さぞ落胆することだと思います。
つまり、
佐藤和威さんが今、
いわゆる普通の生活を送ることができず、
苦しんでいるという状況に、
国は寄り添っていないということになるのではないでしょうか。
佐藤和威さんがNHK「ストーリーズ」に出演
佐藤和威さんは、
2021年11月20日の22時40分から放送される、
NHK【ストーリーズ】事件の涙「僕は“実名・顔出し”でいじめと闘う」
に出演されます。
2021年10月29日に同じくNHKで放送された、
「ザ・ライフ『僕は佐藤和威を取り戻す』」にも出演された佐藤和威さん。
今回のストーリーズでは、
いじめから9年経った今、何を思うのかを語ってくれるようです。
きっと考えさせられる内容になると思います。
子供を持つ親世代はもちろん、
少し遅い時間ですが、
児童や学生にもぜひ見せたい番組だと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事では、
佐藤和威さんが起こした、
「いじめ控訴審」で出された、
驚きの判決の内容に迫ってみました。
◆2審で「いじめ」と認定されてが、1審で「遊びの類い」とされていた
◆慰謝料の額は求めていた金額の約25分の1
◆市側(学校)の責任は認められず
◆加害者の親の責任も認められず
◆佐藤和威さんのPTSDも認められず
佐藤和威さんが受けた行為は、
「いじめ」であると判決で認められたものの、
具体的な内容は、佐藤和威さんが
望んだものとは程通りものでした。
さぞかし落胆されたことだと思います。
それでも、
「同じ状況にある人を救いたい」と、
顔と実名を出して闘うことを決めた佐藤和威さんは、
本当に立派な方だと思います。
別記事でも触れましたが、
佐藤和威さんがいじめられるきっかけとなったのは、
3~4歳の女児を助けたことでした。
こういったことからも、
佐藤和威さんの素晴らしい人間性がうかがえますよね。
こころから佐藤和威さんを応援します!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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